英語(語学)出直し学習法 スーパーエルマー

「スーパーエルマー」各カテゴリーの代表的教材の検証J 「聴くだけ」教材の草分け的存在

 

通信教育CDB <スーパーエルマー>

 

「聴くだけで上達する」教材の草分け的存在 

 

パッケージ内容

 

「スピードラーニング」と同じく「聞き流すだけで英語が上達する」との宣伝文句で、
英語学習界では古くからある教材です。
提供しているのは東京SIM外語研究所という1966年創業の会社です。

 

「スピードラーニング」が、一般の人が海外(英語圏)に行って現地のネイティブと
ちゃんと意思疎通が出来るようになる、という目的で作られているのに対し、
こちらの「スーパーエルマー」はネイティブとの会話もさることながら、
TOEICのスコアアップなどヒアリング力のアップを主体的な目的に考えて作られている印象です。

 

提供元が作成しているPRページも、スーパーラーニングが石川遼さんなどの有名人を起用して
「楽しい英語でのニュケーション」を前面に出しているのに対して、
こちらのスーパーエルマーは実際に使ったユーザーのTOEICスコアアップや
英検合格者の事例を羅列しており、同じカテゴリーの教材でありながら、
目指す方向は全く別の方向です。

 

特にスーパーエルマーは、TOEICリスニング満点獲得者、英検1級合格者が多数掲載されており、
多少は誇張や宣伝用の盛りもあるのでしょうが、教材の開発目的は明らかです。

 

<特徴>

 

外国語を学ぶ時の一番大きなハードルの一つが「日本語との語順の違い」であることは明らかです。
日本人の多くは、英語を聞いたり読んだりする際に、ずっと学校で勉強してきた「返り読み
という手法で日本語に変換して行きます。

 

しかしそれが効率悪く、前後を行ったりきたりしているうちに、次の文節に付いていけなくなって
破綻するパターンに陥ります。
ましてや、途中で知らない単語が出てきたりしたらもうだめです。
思考が一度停まってしまったら、次へ進むことが出来なくなるのも「返り読み」の特徴です。

 

この教材はその語順に着目して、語順の行ったり来たりをしないように、
最初の段階では意味の塊ごとに単語を区切り、そこに日本語訳をはさんでいます

 

ヒアリングのステップは3段階あって、最初が意味の塊の文節ごとに日本語訳の録音バージョン、
次の第2段階目は日本語訳が消え、最後の段階では通常の区切らない文章が録音されています。

 

この3段階を続けて繰り返し聴くことによって、「返り読み」を克服するように導いていきます。
このコンセプトをベースに、本教材は3つのメソッドの基にしてヒアリング力を醸成して行きます。

 

1.即聴即解 

 

・ 考えないと意味がわからないようでは実戦での活用は出来ません。聴いた言葉がそのまま
 意味のあるものとして理解できなければ使い物にはなりません。
・ これは現地での日常生活も、TOEICのような試験でも全く同じです。
・ そのためには、英語を聞いてそのまま頭の中で意味合いを感じられる
 「英語脳」を作らなくてはいけません。

 

2.スピード

 

・ ネイティブの話す英語は早いです。
我々が話す日本語だって、考えてみれば凄く早いでしょう。
・ この「ネイティブの話すスピード」に付いていけなかったら、語学としては使い物になりません。
・ そのためには、ネイティブの話すスピードと同じスピードの教材が必要です。
  それに、いきなりネイティブのスピードではなく、最初はゆっくりとしたものから段階を経て
 スピードに慣れていく必要があります。

 

3.音節リズム

 

・ 日本語は他言語と比べると抑揚も少なく、あまりリズミカルな言語ではありませんが、
 英語はリズミックな言語なので、アクセントなどが重要です。
・ 英語の発音は、音節ごとに拍子をとって(リズミカルに)発音することが肝要です。
 当教材は、この「音節」を重視してリスニングプログラムが作られていますから、
 自然と音節ごとに理解したり発音したりする能力が磨かれていきます。

 

 

<講師>
 
教材は、レベルに応じてVOACBSのニュース英語が使われています。
したがい、スーパーエルマー教材の中で指導者はその教材(素材)を編集して
日本語訳などを追加したりする作業をしているので、講師というよりも
コーディネイターといった呼び方がしっくりくると思います。

 

現在のコーディネイターの取り纏めをしているのは、提供元である
東京SIM外語研究所の所長であるダン上野Jrという人です。

 

 

コースとコスト、勉強法と適したタイプについて

 

パッケージ内容

 

<コースとコスト>

 

当教材は学習者のレベルに応じて2種類の難易度の教材が用意されています。
レベルに合ったものを使うことで最大限の効果を発揮します。

 

1. VOAコース(初級〜中級,TOEIC600までが目安)
  価格:49,800円(税込53,784円)

 

・VOAとは、「Voice of America」のことで、国営のラジオ放送局です。
・米国の話題を世界中に届けるというコンセプトで、非英語圏のリスナーでも
 理解しやすいように難しい表現は使わず、スピードも1分間100〜120ワードに
 制限されており、わかりやすいアメリカ英語を使っています。
・そのニュースコンテンツを使って、文節ごとに意味の塊で捉えられるように工夫して作られています。

 

2. CBSコース(中級〜上級,TOEIC600以上、英検2級以上が目安)
  価格:54,800円(税込59,184円)

 

・CBSは米国全土をカバーする3大ネットワークの中でも最大で、
 提供する番組の高い報道品質は絶賛されています。
 これこそが、ネイティブが日常で使う(正しい)英語であり、
 その素材を使って作られた教材を繰り返して聴くことにより、
 自然に英語脳が構築されるようになっています。

 

3.VOA&CBSパッケージコース(今は全然ダメだけど短期間で一気に達人になりたい人用)
  価格:94,600円(税込102,168円)

 

初級から上級までをカバーする上の2つの教材をセットで購入することで、1万円の割引となります。
思い立って短期間で一気に上達を目指す方には良いかもしれません。

 

 

<適した人>

 

(通信講座はどれも共通しているが、基本的には)
・それなりに意志が強い人(物ぐさであっても、毎日継続しようとする行動力がある人)、
 時間に余裕のある人 (通勤時間が長い人)

 

・他でもコメントしている「スピードラーニング」「ヒアリングマラソン」などと同様に、
 教材がいくら良いものでも結局は本人のやる気とかける時間、やり方に大きく影響されます。

 

・通信講座の中では、TOEIC、英検などのテストを目指す方には最も適していると思います。
 また、通勤時間が長い人は、聴き始めさえすれば集中して聴くこと自体はさほど
 大変なことではないので適していると言えるでしょう。

 

<総評>

 

「返り読み」を矯正して英語脳に変えていく、というコンセプトは実に理に適っていますし、
教材開発のコンセプトの大きな目的としてTOEICスコアの向上、
それも「テクニックではなく真の実力をつける」ということを掲げているところが素晴らしいです。

 

昨今、TOEICのスコア偏重主義のようなものが跋扈しており、スコアアップのテクニック本なども
売れているようですが、本来TOEICスコアはその人の英語理解度を測る指標であるはずです。
TOEIC高スコアでもほとんどネイティブと会話できない人もたくさんいますし、
低スコアでも問題なく意思疎通できている人もいます。

 

現地に長く住んでいれば、会話などは「慣れ」で何とかなるものですが、
更に突っ込んだ意味を把握しようとしたら、やはり正しいヒアリングのトレーニングを受けて、
正しい文法なども学ぶべきだと思います。

 

そういった目的を考えるのであれば、本教材は付け焼刃ではない「真の実力」を身につけるための
メソッド満載であり、お薦めです。

 

とはいえ教材との相性もありますから、私としてはまずは「10日間無料試聴」を
試してみられることをお勧めします。
これに申し込むと、本教材のパッケージと試聴用CDが送られてきます。
試聴用CDを聴いてみて気に入れば、本教材のパッケージを開けてスタートすればよいし、
「ちょっときついな」と感じたら返品することもできます。
(その場合は、返送料だけかかります)

 

こういうシステムは、とても良心的だと思います。
これであなたのリスクは極小化できますので、まずは申し込んでみてください。

 

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